ビキニアーマー・・・
水着のビキニ風の鎧。
80年代のアニメ(OVA)から目立って登場する様になった女性キャラのコスチューム。
現在、(主に)ファンタジーゲームでは、もはや定番と言えるコスチュームである。
見た目がビキニなので肌の露出が多く、それだけで男性プレイヤーの目を惹きつける。
このコスチュームが、ゲーマーの間で一定の認知度を得た理由はなんだろうか?
第一は、やはりそのビジュアルだ。
当時、ゲームをプレイするのはほぼ男子だったので、肌も露わな女性が画面に出てくるだけで大喜びしていたのだ。(まぁ、この辺りはゲームに限らないが・・・)
では、ゲーマー間で広まった切っ掛けはなんだったのだろうか?
始まりは、コンピュータゲームではなく、テーブルトークRPG(TRPG)だったのではないか?と推察する。
初期のTRPGは、中世ヨーロッパを舞台にしたような、いわゆる剣と魔法のファンタジー世界が主流だった。
戦闘において、防御力=鎧であり、近接戦闘がメインの世界観である故、肌の露出を避ける事が防御力が高いとされていた。これは、現実世界でも同じで、ヨーロッパの騎士は甲冑と呼ばれる全身を金属のプレートで覆う鎧で戦っていた。そして、その弱点は関節部分などのプレートで覆われていない隙間だった。
そして、その様な世界観を元にコンピュータRPGが作成された。
この様な世界観の中で、果たしてビキニアーマーは意味があるのか?
あるわけがない。
ところが、(主にコンピュータ)ゲーム内では、このビキニアーマーの防御力が高めに設定されている。というか、普通に考えたら防御力は「ぬののふく」以下、と考えるのが普通だろう。
このギャップが、ある意味「ネタ」的に扱われる事で、ゲーマーの間でビキニアーマーは認知されていった。
このビジュアル面に関し、個人的な考察を述べたい。
ビキニアーマーは、初期のTRPGの影響があると述べたが、その初期のTRPGはルールブック等の冊子に世界観のイメージを伝える為の美麗な表紙や挿絵が描かれていた。そこに登場する女戦士は、押しなべてビキニアーマーであった。
そして、それらの女戦士は非常にシェイプされた筋肉質な身体をしていた。その身体は、一種のスポーツ選手が持つ肉体美そのもので、そうしたフェティッシュな感情に訴えかける要素も併せ持っていたと思う。
肉体美を見せる為の衣装=ビキニアーマー、という構図だ。
そして、このビジュアルは、TRPGからコンピュータRPGに受け継がれていく。
そんなわけで、掴みとしてビキニアーマーは描き続けられ、更に、ビジュアルは進化して実写さながらの迫力で男性プレイヤーの目を捉え続けている。
と、ここまでは見た目がビキニというオーソドックスなビキニアーマーについて述べてきた。
時代が過ぎ、ビキニアーマーの定義も広がった気がする。
とにかく女性キャラの露出が多いコスチュームを(またしても)ネタ的にビキニアーマー(風)と呼び、同系列に語られている。
当然、これは悪い事ではなく、ビジュアル的な掴みを得る為に(ゲームの世界観に合っていれば)必須事項だろうから否定はしない。
女性キャラの露出が多くなり、過激路線になる事に眉を顰める人もいるだろうが、多くのプレイヤーは常識ある人間。いわゆるリョナ的な趣味のプレイヤーは、ゲームをプレイしているわけではないので論外だ。
そういう意味で、過激な露出をビキニアーマーと称して楽しむ事は多くのプレイヤーの認知する所となった。
この過激路線には、もう一つの側面がある。
それはコスプレの存在。
ゲームとコスプレは、90年代後半の対戦格闘ゲームブームから密接になり、多くのコスプレイヤーがゲームキャラを演じる様になった。(逆にゲームコスプレが増えてコスプレ人口が増加した、ともいえる)
女性コスプレイヤーは多くの人の注目を集める為、過激な衣装のキャラクターを演じ始める。その過程でビキニアーマーキャラが(一つの)標的になる事は必然といえた。
更に過激なコスプレを促す為、露出の高いキャラが作られていった・・・というのは飛躍しすぎだろうが、一つの要素ではあると思う。
こうして様々な要素を内包してビキニアーマーは、もはや常識というレベルに達している。
これからも、プレイヤーを楽しませる(操作したくなる)ビキニアーマーキャラは登場し続ける。
プレイヤーは、存分に楽しんでプレイしようではないか!
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