レトロゲームについては、過去特集が組まれているのだが、今回は少し視点を変えてレトロゲームを語ってみたい。
そもそも、レトロゲームの定義は各ゲームをプレイしたプレイヤーの年代で変わってくるわけだが、基本的には、00年代以前のゲーム全般(業務用・家庭用・PCゲーム含む)をイメージして頂けたら間違いないだろう。
万人的にはいわゆる次世代機と呼ばれたプレイステーション(PS)以前の2Dグラフィックゲーム(8~16bit機)が鉄板のイメージだ。
今、レトロゲームには多くの場面で触れる事が出来る。簡単なのはYouTubeチャンネルで検索する事だろう。大抵のゲームのプレイ動画がUPされていると思う。
こうした、レトロゲームプレイ動画はアーカイブ的一面がある事は先の特集にも通じる事実である。それまで書籍等の文章でのアーカイブと異なり、実際動いているシーンを見る事でよりそのゲームを知る事が出来る。これはアーカイブとしては非常に重要、というか動画があって初めてアーカイブの機能を完全補完する事が出来るとも言える。
どんなレトロゲームでも、実機を手に入れてプレイする事が一番確実であるが、マニアであってもかなりの高難度な道楽である。
興味はあるが、実際手に入れるには時間もお金も掛かる。一般的には「ちょっと見てみたい」という方が多いだろう。そういった方が先ずアーカイブでそのゲームの触りを知り、そこから「是非プレイしてみたい」となる可能性があるアーカイブは非常に重要だ。
実際プレイするのであれば、アーケードアーカイブス等のコンテンツ配信。同様に各社から「○○コレクション」といった形で過去の作品をパッケージしたタイトルが発売されている。またレトロゲームを専門に復刻販売しているサイト(プロジェクトEGG等)も存在する。
これが、現時点でお手軽にレトロゲームをプレイ出来る環境だろう。デメリットはプレイするゲームが限られている為、必ず自分がプレイしたいゲームで遊べるわけでは無い事と、(実機が大型筐体や専用コントローラを使用する場合)実機の感覚は味わえない、という2点だ。
さて、ここまでは、レトロゲームを知りプレイするまでの流れを記したが、これからが本題である。
レトロゲームを楽しむ事は、当然そのゲームをプレイする事であるが、もう一つ、レトロゲームにインスパイアされて作られたゲームを楽しむ事もあげてみたい。
こうしたフォロワー的ゲームは数多く制作されていて、価格も手頃でプレイしやすい。こうしたゲームをプレイする事は純粋にレトロゲームをプレイする事ではない。あくまでレトロゲームをプレイしている「雰囲気」を味わう事が出来るだけだ。
しかし、その雰囲気を感じる事が本物のレトロゲームに興味を持つ切っ掛けになる事もある。そう考えればレトロゲームアーカイブへの足掛かりとなり、レトロゲームを知る裾野を広げている役目もあるわけだ。
鶏が先か卵が先かの話になるが、アーカイブとフォロワーゲームの両輪でレトロゲーム界を守っていく事は不可欠な事ではないだろうか?
現在の最新ゲームも結果としてレトロゲームになる事は自明の理。ビデオゲームの歴史を正しく伝えて行く為にもレトロゲームアーカイブを充実させていく事は不可欠な事だと思う。
ゲームは使い捨ての娯楽ではない。
積み重ねたレトロゲームの歴史から、その時代に沿った新しいゲームが誕生していく。その時だけを楽しむのではなく、後世に繋ぐ活動を是非応援していきたい。
<了>
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