今回の特集は実写ゲーム。 オールドゲーマーは実写ゲームというと、実写取り込みのゲームを想像する。90年代には撮影された写真をデジタイズして作られたベルトスクロールや対戦格闘ゲームが作られていたが、往々にして動きはカクカクしていて、ゲームとしても当時の同ジャンルゲームのクオリティに満たないモノが多く、その為実写ゲーム=クソゲーというイメージが植え付けられた。(主に海外の所謂洋ゲーに多かった)
しかし、クソゲーに愛好家が現れ始めると、バカゲーとして実写取り込みゲームが認知されるようになってくる。ここで実写ゲームはニッチなジャンルとしての地位を確立した。現に実写を使用したアクション系ゲームは最初からバカゲーとして作られている場合が多い。
今回取り上げる実写ゲームは、エロゲーである。エロゲーも古くはAV麻雀の様に実写が使用されたゲームは存在した。しかし、多くはドット絵基調のアニメ系作品であり、ここでも実写はニッチな存在であった。
エロゲー(に限らないが)も、グラフィックは進化し続け、実写さながらのゲームが多く出回り始めている。ここまで来るとわざわざ実写を取り込んでゲームを作る意味があるのか?という感じだが、海外製のエロアドヴェンチャーゲームは実写(多くはポルノ女優)を使用したゲームが多数制作されている。とはいえ、多くはネット上に落ちている様なポルノ女優の画像やGIFを(無許可で)組み合わせて無理やりアドヴェンチャーゲームとし成立させている様なもので、画像は小さく画質も粗く、エロとはいえ実用的(笑)とは言い難い。そして、殆どはブラウザを利用した汎用システムが使われたもので大きく代わり映えはしない。
しかし、中には画像がしっかりレタッチされゲームとしても作り込まれたものも極僅かに存在する。ゲームのジャンル的には、ほぼアドヴェンチャーゲームだが、(安っぽいとはいえ)ロケハンがとられていたり、コマンド選択の制限で戦略性を持たせたり、面白くプレイさせようという努力が見える。とはいえ、どうやらこうしたゲームに使用される画像はアセットのようなモノがあるらしく、様々なゲームで同じ画像が使われていたりする・・・^_^;
多くのゲームはセックスシーンがムービーである。GIFを利用したものやポルノ映画を短く編集したモノが殆ど。で、恐らく許可は得ていないはず。同人的なノリで作られているのだろうが、如何わしさは大爆発だ。(笑)また、ムービーシーンを同士がMODとして追加して拡張していけるシステムを採用しているものもあり、これはこれでプレイモチベーション維持に繋がっている。
実写エロゲーは、先に述べた通り海外のポルノ女優の画像を使用しているモノが圧倒的に多い。言うまでも無く海外は無修正だ。実写とCGを比べた時にCGが写実的になっているとはいえ、セックスシーンの局部の生々しさはやはり実写に分がある。海外のポルノ映画はエグイ描写もあるので、それに耐性が無いと実写ゲームはキツいかもしれない。
実写ゲームはバカゲー(一般向け)とエロゲーの2極化が進み9割はエロゲーだ。これは、単純にゲーム性としては判り易く低コストで作成が可能であるからだろう。ご褒美グラフィックを描く手間が無く、エロである為ゲームシステムも凝る必要が無い。この意見には反論があるだろうが、エロゲーは抜かせる事が第一の目的であり、エロい画像を並べておけば問題が無いというのが一般論だろう。そこに少し遊べる要素のあるゲームが面白く感じる事は実写以外のゲームでも同様だ。
実写ゲームの存在意義とは何だろうか?
大元を辿ればグラフィックレベルが低かった時代にてっとり早く「リアル」を求めた事が始まりだろう。リアル=「ドット絵」<「写真」という、CGレベルがが貧弱だった時代の単純な思考だ。
では、リアルCGがデフォルトの現在で「リアル」を追い求める為の実写に意味はあるのだろうか?確かに映像だけ見れば実写と間違いそうなリアルCGは多い。しかし、CGは穢れが無さすぎるのだ。人体だけ考えても(というか人体が一番リアルさを求められているのだが)、現実世界では肌のシミや体毛の影、ホクロ、目の左右非対称等を当然として受け入れている。CGはそういったある意味人間らしい影の部分を取り払い、まっさらに描き出す。確かに質感自体はリアルだがそこに嘘くささを見てしまう。
いうまでもなく我々は現実世界に生きているので、刷り込みとして実写を求める。ここに実写ゲームが成立する意味があるのではないだろうか?
CGが実写を目指すのも、結局は究極のリアルを求めているからであり、それは今後も加速していくだろう。そして、何れはゲームプレイ等でCG世界で過ごす時間が増加し、現実との境があいまいになる日も来るだろう。その時が実写ゲームの存在意義が揺らぐ時ではないだろうか?
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