NEO・GEOは、SNKが発売した業務用ハード「MVS」(Multi Video System)の家庭用ゲームシステム。簡単に言えば、業務用と同じスペックを持った家庭用ゲーム機だ。業務用がMVS、家庭用がNEO・GEOという事だが、当時業務用に関してもNEO・GEOと紹介されていた。
この「業務用ゲームが家庭で遊べる」という謳い文句は、当時としては夢の様な響きを持っていた。家庭用ハードの性能は上がっていたが、アーケードゲームの完全移植はまだまだ先の話だったのだ。
ちなみに、この独自のゲーム供給システムを評価され、NEO・GEOは、第4回ゲーメスト大賞「特別賞」を受賞している。
とはいえ、登場時はそれまでのアーケードゲームと比較し、遊びたいと思えるゲームが少なく、また、家庭用ゲーム機としては高額で手が出せなかった人が多く居ただろう。この点に関してはレンタル制もあったのだが、それでもどれだけの人が利用していたかは疑問だ。
ちなみに、このレンタル制度の関係で、NEO・GEOはレンタルビデオショップでレンタルする事が出来た・・・らしい。そうでなくても、MVSはゲームセンターだけではなく、レンタルビデオショップにも設置されていて、当時たまに利用していた無人レンタルビデオショップに置かれているのを見た記憶がある。
ただ、イメージとしては駄菓子屋ゲームの最新版、という感じで、ゲームは最新なのに場末感が漂っていた。
結局ハードの普及はソフト次第という事で、遊びたい、と思わせるソフトの登場を待つ事になるが、そこに登場したのが「龍虎の拳」である。
龍虎の拳は、1対1の対戦格闘ゲームで、大きなキャラとズームイン・アウト機能を利用した画面の演出、そして超必殺技の概念を対戦格闘ゲームに持ち込んだ記念碑的ゲームであるが、このゲームの売り出しの際使用されたコピーが「100メガショック!」というモノであった。
所謂ゲームが100M(メガ)の(当時としては)大容量で作られていたというモノで、ファミコンの1Mでスゴい容量だな~と思っていた身としては、どれだけスゴいゲームだ?と期待もしていた。当時は容量を多く使うゲーム=良いゲームと思われている節があったので尚更である。(ちなみにMVSの最大容量は330M)
確かに龍虎の拳のインパクトは大きく、超必殺技を探すキャンペーンも行われていた為、NEO・GEOの普及に一役買ったと思われる。
ただ、個人的にはこのゲームに関して操作性に違和感を感じていた為、購入には踏み切っていない。
ストⅡから続く対戦格闘ゲームブームの中、「餓狼伝説2」が発売される。
このゲームも説明不要だが、このゲームが実質的にNEO・GEOの普及を推進した立役者であろう。かくいう私もこのゲームを遊ぶ為に、遂にNEO・GEOの購入に踏み切ったのだ。この衝撃は忘れられず、家庭のTV画面でプレイするアーケードゲームには興奮を抑える事が出来なかった。
その後、気に入ったゲームは購入して行く事になる。
<購入ゲーム>
「餓狼伝説2」「餓狼伝説SPECIAL」「ワールドヒーローズ2」「サムライスピリッツ」「ファイターズヒストリーダイナマイト」
当時の思い出の一つで、ゲームセンターでバイトをしていたのだが、突然高校時代の遊び友達の一人が訪ねてきたのだ。お互い田舎を出て音信不通になっていたのだが、本当に突然、しかも職場に会いに来たので驚いた。
理由は忘れたが、たまたま東京に来たので訪ねてきたという。(どうやって職場を調べたのかは今でも謎だ・・・)
取り敢えず仕事終わりまで待ってもらいアパートに呼び、昔話に花を咲かせながら件のNEO・GEOで遊んだ記憶がある。
彼とはその後会う事もなく連絡も取れていないのだが、今、何をしているのか・・・
NEO・GEOでは、もちろん対戦格闘ゲーム以外もリリースされていたが、結局高額なソフトだった為、購入に踏み切らせるだけのパワーは無かったと思われる。
家庭用ゲーム機の性能UPもあり、高額ソフトを買う意味はますます薄れ、対戦格闘ゲームブームの終焉と共にNEO・GEOの需要も消えて行った。
ゲーメスト大賞(特別賞)を受賞したと述べたが、確かにゲームプレイヤーの裾野を広げた功績は大きいと思う。そして、ゲームセンターが消えつつある現在、当時のゲームセンターのゲームをそのままプレイ出来るNEO・GEOは、今だからこそ再評価されるべきシステムではないだろうか?
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