以前、AI生成イラストについてのコラムを書いた。
その流れで、現在いくつかのサイトを利用してAI生成イラストを作成している。
作成したイラストを隔月刊誌の体裁を取っている「HIGH.G」で使用し始めたので、お気付きの方もいる事だろう。
以前のコラムでは、ゲーム制作に関しグラフィック能力の劣る製作者には僥倖になる旨を記したが、これはそのままこういった編集作業にも当てはまる。
それまでHIGH.Gの編集には自分で描いたイラストを使用していたが、生活環境の変化もあり、手描きでの時間を作る事が困難になりつつあった。そこにAIでのイラスト作成を導入した事でゲームプレイ時間やコラム執筆時間を捻出する事が可能となった。(一番の理由は、自分で描くより上手く描き上げてくる事なのだが・・・^_^;)
AIイラストは、「プロンプト」と呼ばれる、AIに描かせる画像イメージを文章で入力する所から始まる。(入力は基本英語だが一部日本語対応のエンジンもある)
ここで、自分の持つイメージをAIに上手く伝えられるかが勝負であり、AIが上手く汲み取って描いてきた時は結構な感動が味わえる。
どんなものが出来上がるかが判らないという部分は、ある意味ギャンブルやガチャ等のゲーム性を彷彿させる。当然ながら思い通りに描き上げて来る事は稀であり、描き上げてきた作品を見て、プロンプトの並びや文言のテイストを微調整して、イメージに近い画像を描かせる部分も実にゲーム的だ。
各描画エンジンにも特徴があり、得意な作風(リアル調・アニメ調)やプロンプトの読み取り具合も異なる。この辺り、各エンジンの癖を見抜いてプロンプトを組み立てていく事もゲーム性と言える。
クリエイト(街やロボット、キャラクター)系のゲームが好きな人は、案外ハマるのではないだろうか?
現在の生成AI特有の「人間の指の描画が苦手」という問題がある。手足の指の数量や角度(デッサン)がカッチリ決まる時は稀だし、日本的な描画(風景など)もアニメ調以外は少しズレたモノが描かれる事が多い。また、パッと見良く見える画像でも、背景との整合性が取れていなかったりする。
そういった作品が殆どなのだが、私はそうした部分をレタッチして使用している。
レタッチも含め、全体の画像イメージを持つ為にも、ある程度の美術的(デッサン・画面構成・色構成等)知識は必要だ。
AI生成イラストの問題点として「著作権」があるが、イラスト生成時LoRAを使用する場合に問題となりそうだ。LoRAは、AI画像のテイストを指定する様なもので、極端な話、「イラストレーター○○の様な」というLoRAがあれば、誰でもそのイラストレーターの様な画像を作らせる事が可能となる。
これは、「うるし原智志」氏調イラストのLoRAを使用した例(反映度は8くらい)。かなり似ている画像を仕上げてくる。基本こういった既存のイラストレーターやキャラクターのLoRAは、遊びで使用するものだ。間違ってもこういった作品を商用利用するべきではない。
生成AIによるイラスト描画は、用途に合わせて使用する事でクリエイターにとって大きな力になる事は間違いない。
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