今更言うまでもなく、アニメは日本が世界に誇るサブカルチャーだ。
そして、アニメとゲームは親和性が高い。
そもそも、初期TVゲームはキャラクターを含め全てドット絵(ピクセルアート)で描かれていた。ゲーム画面自体がセルアニメのようなイメージを持っていたので、親和性が高くて当然なのだ。
また、TVゲーム登場初期は実写の様なリアルな表現は全く夢の様な話で、ゲームのイメージを伝える為にアニメ調のイラストが使用されていた事の名残とも言える。アニメ調の画はゲームを遊ぶ子供たちに訴えかけるにはもってこいの素材である事も要因の一つだ。
更にアニメーション自体の人気も高く、優れたTVアニメや映画が製作され続けている為アニメ画は多くの人に認知されている。
そんなわけで、多くのゲーム作品でアニメ調グラフィックは使用されている。
ゲームはリアルな3Dグラフィックとアニメ調グラフィックに二分されるが、ピクセルアートを始めアニメ調グラフィックのゲーム人気は高い。ゲーム人口の詳しい年齢比率は判らないが、イメージとして若い世代が多い事は容易に想像がつく。若い世代=アニメが判りやすい、という理由にはならないが、若い世代の最初の入り口はアニメ調グラフィックのゲームである可能性が高いし、そこからの刷り込みでアニメ調に違和感を感じる事は少ないだろう。なによりも、デフォルメされたグラフィックは、子供たちに受け入れられやすい。
個人的には現時点でリアル系3Dグラフィックが好きなのだが、やはりPCゲームで美少女ゲームを遊んでいた時期が長かった為、アニメ調のグラフィックにも惹かれてしまう。
美少女ゲーム(エロゲー)は、AV同様ファンタジーの世界を描いている為、リアル系よりはアニメ調グラフィックの方が親和性が高い。
そういった意味では、ゲームの世界観(設定上のモノだけではなく、テーマ性を含めたモノ)により、ゲームのグラフィックは選択されていると思うが、ジャンルによりほぼ固定されている一面もあると思う。
究極の話、ゲームのグラフィックは実写ではなくデフォルメされたものと考えれば全てアニメ調と言える。その中で、アニメ寄りなのか実写よりなのか、という振れ幅があるだけだ。
ゲームは、「漫画・アニメ」と「映画」を繋ぐ位置にあるエンターテインメントだ。そう考えれば、グラフィックの質に幅がある事も納得できるだろう。
リアル系とアニメ調、どちらが優れているかは、如何にそのゲームの世界観に合致しているかで決まる。これは主に作り手側の問題だが、逆に言えば作り手側はゲームを作り込むに当たり、テーマと世界観の重要性をもっと意識して作る責任がある。
「こんな感じ」「あの作品のオマージュ」だけでは、総合的に良いゲームは作れないであろう。
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