今回紹介するのはこちらの書籍。
「レトロゲーム美少女グラフィティー」
タイトル通り、レトロゲームに登場する女性キャラを紹介する内容。
登場する女性キャラは、ファミコンからスーパーファミコンの時代に各ゲームに登場したキャラクターとなっている。
もちろん、ファミコンだけではなく、同時代のアーケード、PCゲーム等からの紹介もある。
ゲーム文化が広まってそこそこの年数が経っているが、黎明期はやはり男の子向けの遊びだった。そして、男子を惹きつける為に女性キャラが登場する事は必然で、そのグラフィックも時代と共に進化する事も当然である。
黎明期のゲーム内で各キャラクターを見る事には、かなりの脳内保補完能力が試された。その助けとなったのが、イメージイラストだ。
紹介されているキャラクターは、多くがイメージイラストで紹介されているが、それも当時のゲーム機の性能を考えると仕方がない事だろう。
ただ、現在の様に実写さながらの3DCGを動かす事が出来る事が当たり前といえども、イメージイラストは描かれるわけで、この辺りは不変だ。
時代は変わろうとも、プレイモチベーションとして魅力的な女性キャラは(もちろんゲームの内容によるが)必要である為、今後も不変であると信じる。
書籍を読みながら思った事は、当時メディアミックスとしてゲームミュージックのCDが売り出されるようになっていたのだが、オリジナル音源とは別にB面曲として、各ゲームのアレンジ曲が収録されていることが多かった。
たしか、ナムコグラフィティだったと思うが、マッピー、リブルラブル、ワンダーモモのアレンジは、それぞれおニャン子風、演歌風、ポップス・ロック風という歌が収録されていた。なかでも、マッピーのアレンジ曲「ちょっとマッピー男の子」は、ゲーム内容を上手く歌詞に織り込んでいて名曲と言える。
話はズレたが、ゲームの世界観やキャラクターの背景をゲーム画面外で補完するメディアミックスが、重要な時代だったのだ。
書籍でも指摘されているが、ゲーム内でプレイヤーから助けられるアイコンとしての存在だった女性キャラが、プレイヤーキャラとなった段階で一気にその数を増やし、人気キャラが生まれた事は興味深い傾向だ。
この辺りを掘り下げる事で、1冊本が書けそうな気もする。
本書は、キャラクター図鑑的構成だが、史料的価値はそれほどない。
時代背景や各ハードのスペックの技術的向上情報を盛り込む事で、そうした書籍が作られても面白いだろう。
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