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執筆者の写真竜騎士

変なゲームなら任せとけ!

更新日:3月7日


今回読破したのはこちら。

「変なゲームなら任せとけ!」でお馴染みの「データイースト」(通称デコ)の、初期から「デコカセットシステム」開発後までの会社としての歩みを、当時の社長・社員へのインタビュー記事で綴る内容。


データイーストに関して、個人的にはビデオゲーム制作会社と認識していたが、実際にはビデオゲーム(ピンボールを含む)を軸に、先端技術を応用した多角経営をしていた様だ。

書籍によると、元々は技術屋であった社長が、最先端技術を用いて何か出来ないか?と模索して立ち上げた会社であり、スペースインベーダーブームに乗る形でビデオゲーム市場に参戦する様になったそうだ。元々がビデオゲームを作ろう!という志から出来た会社ではないので、納得と言えば納得だ。


コラムタイトルの「変なゲームなら任せとけ」は、80年代後半(デコカセットシステム以降)に同社が発売したゲームが、他のメーカーとは一線を画す奇抜さであったところから、自然と生まれたキャッチフレーズ。個人的には、この変なゲームからデータイーストを意識していたので、それ以前の会社の状態について知る事が出来るこの書籍は、貴重な資料であると感じる。インタビュー記事と合わせて当時の基盤やフライヤーの画像も紹介されているし、史料価値はかなり高い。


書籍タイトルの「ALL ABOUT」は、電波新聞社がかつて刊行していたゲームメーカーの特集ムックシリーズの名前で、令和になってまさかの復活となり、その部分でも個人的に読まなければならない書籍だった。

内容的には、会社創成期の話題止まりで、変なゲームに関しての記述はないのだが、同社がアーケードゲーム業界に残した足跡は無視できないモノであり、現在のアーケードゲーム業界(ゲームセンター)で稼働しているピンボールを始めとするエレメカ(プリクラや占い機も含む)は、同社の成功があったからこそ今に至る事に気付かされると、偉大なメーカーであったと再確認させられる。


残念ながらデータイーストは2003年に倒産しているが、ゲームを始めその遺産は前記の様に様々な所に引き継がれている。

こうした業界に関する書籍が、会社倒産から20年という時を経て出版される事は、大変喜ばしい事であり、また、今後こうした書籍が発売される事を強く望みたい。

アーケードゲームは、カルチャーとしてのビデオゲームを語るうえで外せないジャンルであり、衰退が激しい現状況に於いてかつての状況を記しておく事は、文化保全の観点からも進められるべきだと思う。

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