①「プロレスとアイドル」
小島和宏著。太田出版。
東京女子プロレスに所属している4人のレスラーへのインタビューを元に、令和のアイドルと女子プロレスの関係を浮き彫りにする内容。
元々、女子プロレスとアイドル(芸能界)は、親和性のある関係だった。初期の全日本女子プロレスには歌のコーナーがあり、人気レスラーがリング上で歌を披露していた。(ビューティペアのレコードデビューが切っ掛けだろう)
また、多くの個性的レスラーがいる中で、いわゆる「推し」と呼ばれる存在もあったと思われる。その時代時代に、ルックス重視の「アイドルレスラー」という存在もあり、上記の「推し活」と合わせると、AKBの先を行っていた感もある。
この書籍に登場する4人のレスラーは、何れも現役もしくは元アイドルという肩書を持つ。昔と異なるのは、女子レスラーが芸能活動を行うのではなく、芸能人がプロレスを行っている、という逆転現象だ。これが令和時代のスタンダードだろうか?
更に言えば、彼女たちの試合が面白い。
プロレスというのは、肉体を使ったドラマであり、そういう意味でも芸能と親和の高さの裏付けとなるだろう。
そのステージにアイドルが立つ。これからは、そういう時代なのだ。
ちなみに、他の団体には、この東京女子の様な「歌のコーナー」は無いと思われる。(少なくともスターダムには無い)
そう考えると、東京女子は、全日本女子プロレスの正統後継団体と言えるかもしれない。
<続く>
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