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執筆者の写真竜騎士

女子プロレス観戦記

更新日:2月17日


このコラムでは、個人的に観戦した女子プロレス興行の感想を述べていきたい。

昨年「スターダム」の興行を観戦し、女子プロレスへの興味が高まってきた。女子プロレスに関しては自分の中で何回かブームが来るのだが、それに関しては別コラムを参照して頂きたい。


2023年8月5日(土)

新潟・デュオ・セレッソ

TJPW CITY CIRCUIT `23 ~中島翔子地元凱旋興行~


昨年スターダムの興行が行われた会場。普段は結婚式場だが、地元の女子プロレス実行委員会の手でプロレス会場として使用されるようになってきた様だ。内装がゴージャスで天井はシャンデリア調の照明。実に女子プロレスらしい会場と言える。


始めに、「東京女子プロレス」の興行を生観戦するのは今回が初めてだ。(YouTube等で試合の模様を観た事はあった)そして、団体の基本知識、所属選手もほぼ知らない状態での観戦であった。

取り敢えず、YouTubeで観た「荒井優希」選手(SKE48)と「アジャ・コング」選手を観る事が出来れば良いな、と思っていた。

奮発して特別リングサイドをGET。男子も含めて何回かプロレスの生観戦に行っているが、リングサイドは初めてだ。


試合開始前の注意事項をリングアナ「難波小百合」さんが解説。ゴスロリ調の衣装がスラっとした身体に似合っている。驚いたのが、スマートフォンでのみ動画撮影可との事。通常のプロレスの試合で動画撮影は禁止なので驚いた。

注意事項が終わり第1試合か?と思ったら、突然「歌のコーナー」が始まる。良く判らないが、選手で作る歌ユニット(4人組)がオープニングソング的に歌うらしい。

歌のコーナーって昭和の全女かよ・・・^_^;

と思いつつ周りを見ると、熱心なファンはアイドルコンサートさながらサイリウムを振って合いの手を入れている。さすが現役アイドルが所属しているだけある。個人的には好きになれないが、こういう団体なんだな、と理解はする。そういえば、会場入り前に並んでいた時に、そんな感じのファン同士が会話しているのを聞いていた。最初はプロレスの話ではないんだろうと思っていたが、この団体の色を端的に現わしていた会話だった様だ。


試合が始まる。

第1試合。若手の試合(と言っても誰が若手かは判らないが、試合が前の選手は若手であろう)は、序盤退屈だったが後半気迫が感じられる展開となり楽しく観る事が出来た。初めてこの団体の試合を観る人も多かったと思うが、こうした若手の試合は団体カラーを伝える機会なので、そこを感じ取って欲しい。そういう意味では、いい若手が居るな、という感じで感触は悪くなかった。

試合が進み前半戦最後に荒井優希選手が登場。

個人的な感想だが、会場の7割近くは彼女のファンというか、彼女観たさに来場していたのではないだろうか?

リングサイドの利点は選手が近いので試合中の表情や仕草が良く判る事。6人タッグで出場の荒井選手はコーナーに居る時の表情や仕草もやはりアイドルらしく(というかアイドルなのだが・・・)、人気が出て当然だろうな、と思わせた。

後半戦は、特別マッチからスタート。「スーパー・ササダンゴ・マシーン」(SSM)VS「アジャ・コング」。SSMは地元出身の男子レスラーで、地元TV等でも活躍している。試合開始前にパワーポイントで試合展開の解説をするというお笑い要素高めの試合。これについてはYouTubeチャンネル「有田哲平のプロレス噺 オマエ有田だろ!!」で知識があったので楽しく観る事が出来た。

アジャ・コングは、言わずと知れたレジェンドレスラーの一人。今でも現役で戦っているのは素晴らしい事だが、動きは流石に年相応な感じ。

メインイベントは、地元出身レスラー中島翔子選手凱旋試合の4人タッグ。この試合の紙テープの投げ入れが可能で、この光景も昭和の全女っぽかった。試合前に中島選手の出身地である津南町町長(女性)が、激励の花束贈呈とコメントを発表。「私もデビューするかも」とリップサービス。

正直、地元と言われても新潟県は広く、彼女の出身(津南町)と会場の(上越市)では車で2時間は掛かるほど離れているので、ピンと来ないのだが、これに関してはこういうモノなのだろう。^_^;

試合はパターン通り、ピンチを凌いだ中島選手がダイビングセントーンで逆転勝利。最後はタッグパートナー、対戦相手、会場の観客に感謝で大団円。


興行全体の流れとしては、歌のコーナーも合わせてエンタメ色が強かった。

スターダムほど選手層が厚くない(スターダムが異常に厚いのだが・・・)為、同じ事をしても太刀打ちできない為の転換なのだろうか?プロレスの幅は広い為、これも有りではあるが、その為にはしっかりとしたプロレスの試合を魅せる事が出来なければ成り立たないだろう。

そのプロレス技術についてだが、正直今回の興行ではそれほど高い感じは受けなかった。技のキレや完成度もYouTubeで観ていたモノとはかけ離れていた。これは、ビッグマッチと地方興行の差と思いたいが、もう少し一つ一つの技を大事に使って欲しい感じを抱いた。


ほぼ初めて見た選手の中で、個人的に良いな!と感じた選手は

「大久保琉那」「愛野ユキ」「乃蒼ヒカリ」「角田奈穂」の4選手。単純に試合で良い動きをしていたので今後に注目していきたい。

人気の「荒井優希」選手、そしてレジェンド「アジャ・コング」選手で安定した集客が見込めるので上記の選手を含めた選手の活躍で、団体として大きくなる要素はあると思う。

話しはズレるが、会場で購入したパンフレット(ポスターブック?)の出来が素晴らしく、広報活動はレベルが高いように感じる。 女子プロレスの魅力については別コラム で述べているが、プロレス初心者は女子から入る事をお勧めしたい。華もあるし判りやすい。いくつかの団体があるが、東京女子プロレスは候補の一つに入れて良いと思う。


2024年2月17日(土)

新潟・デュオ・セレッソ

東京女子プロレス 帰ってきた中島翔子 ~新潟凱旋興行~


夏に続いての東京女子プロレス新潟興行。

今回も地元出身の「中島翔子」選手の凱旋興行。まぁ、それは良いのだが、個人的に贔屓にしている「荒井優希」「アジャ・コング」両選手が不参加という事で若干テンション低く観戦。

後で述べるが、この日の興行は客の入りが前回より低かったと思われる。パッと見ために前回よりも空席が目立っていたからだ。

試合内容は典型的な地方興行の流れの様に感じた。

前半はほぼコミカルな内容で、団体カラーなのだろうが個人的には興覚め。その中でも、愛野ユキ選手の力強い動きには関心したが、全体的な学芸会の様な試合展開の中にキラリと光るプロレス技術を期待するが、若干力不足の様に感じる。

所属のレスラータイプとしては、コミカル派が主流でファイター派が若干混じる感じだが、セクシー派として「上福ゆき」選手は良い印象だった。長い手足を活かした戦いは、ダイナミックで試合を引き締める役割を担っていたと思う。

後半の試合は流石に動きも良いモノになってくるのだが、やはり技のキレや完成度は総じて低いといわざろうえない。地方の子供やお年寄りは騙せるだろうが、それはコミカルプロレスだけで十分であり、やはり基本はしっかりとしたプロの技術を見せて頂きたいと思う。観客に魅せるという部分がビジュアルに特化していて、肝心のプロレスの技が噛み合っていない為、どうしてもちぐはぐな印象を持ってしまうのだ。

メインイベントは、例によって中島選手がピンチの後の大逆転(ダイビングセントーンからの体固め)で安定の幕引き。

ただ、今回のピンチ具合はかなりのモノで、結末は判っているがハラハラしたものだ。それだけ対戦相手の一人「渡辺未詩」選手の気迫は凄まじいモノがあった。(ジャイアントスイングで中島選手をぶん回したのには驚いた)


そして、前述した通り今回は客席に空席が目立った。

この会場での女子プロレス興行は4回目。年2回(夏と冬)で、一昨年はスターダム、昨年からは東京女子プロレスが興行を行ってきたのだが、回を追う毎に観客数が減ってきている気がする。

スターダムは現時点でお家騒動で揺れているし、スターダム以外の団体はどの団体も地力が無い。そういう意味で、次回(順当に行けば今夏)は、どの団体が来ても集客は怪しいと感じる。

更に言えば、地元の観客がどれだけいるのか?という問題で、今回の興行も感覚的に地元以外の遠征組が大半だったのではないか?と見受けられた。地元の女子プロレス実行委員会には、地元へのアピールをもっと大々的に行って頂きたい次第だ。

このままの情勢では、今夏の開催自体黄色信号・・・と思われる。


<続く>

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