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同級生

執筆者の写真: 竜騎士竜騎士

*このコラムは「思い出ゲーム10本勝負」100番目のコラムです。

elfがPCで発売した恋愛(ナンパ)シミュレーションゲーム。

色々エポックメイキングなゲームであるが、それまでの美少女ゲーム(エロゲー)とは、比較にならないほど「遊べる」ゲームだった。

箱庭的街のマップを歩き回り、各所で出会う女の子と親密度を上げて、最終的にSEXする事が目的。主人公は高校生である為、学校での出会いが主であるが、多くの女の子が登場するので、それぞれの時間軸を考慮して行動し親密度を上げて行く事がゲーム性。

いわゆるフラグ管理ゲームだが、それまでこの様なゲームはほぼ存在しなかった。


当時、PCゲーム市場は美少女ゲームが大半であったが、ゲームとしてはコマンド選択式アドヴェンチャーゲームばかりであった。これは、美少女グラフィックが売りだったので、グラフィックをメインに見せるゲーム=アドヴェンチャーゲーム、という判りやすい構図と、ゲームとしての作り易さが重なった事による必然的(刹那的)構造だったと言える。

そんな中、美少女ゲーム業界の雄elfは、一貫して遊べるゲームを作り続けてきた。同社は、手軽にエロ画像を見る事だけを目的に作られていた美少女ゲーム界で、グラフィックはゲームをガンバった「ご褒美」としての位置付けを守り続けていたメーカーだった。

そんな姿勢が好きで、同社のファンクラブにも入会していたのだが、そのファンクラブ会報で同ゲーム制作の一報を知った時は狂喜乱舞したモノだ。(情報は竹井正樹氏の原画しかなく、ゲーム内容には触れていなかったと思うが・・・)

このゲームは、エロゲーの体を成しているが、竹井氏の原画の雰囲気を含めエロくない。判り易く言えばヌケない。しかし、ゲームとしてかなり面白い。その為、(エロシーン無しの)コンシューマにも移植されている。

いわゆる「沙織事件」を切っ掛けに業界全体が自粛マイルド状態に舵を切って行った中、このコンシューマへの移植が可能な美少女ゲームは、その後の流れの起点になったと言っても過言ではない。エロゲーと言えども遊べなければ淘汰される時代がきたのだ。(実際はマイルド系とより過激なノベルゲームとの二極化が進んだ)


ゲームは続編の「2」が作られ、人気妹キャラの登場で大人気を博したのだが、当時はゲームプレイ環境が変わり、全くゲームをプレイする事が無く、ブームに乗り遅れてしまった。しかし、それはある意味幸せだったのかもしれない。

この後、遊べる美少女ゲームは、お手軽簡単なノベルゲームに淘汰され、ゲームとして役割を放棄して行く。elfも役目を終え、美少女ゲームの灯火も消えた。そんな場面を体験せずに済んだのだから。

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