今回読破したのは「アーケード未発売・未稼働ゲーム大全」 ぜくう著
タイトル通り、未発売・未稼働のアーケードゲームを紹介する内容。
コンシューマと異なり発売情報が乏しかったアーケードゲーム、しかも未発売ゲームを網羅しているというのは、並々ならぬ努力が伺える。
中でもアーケード黎明期からの情報はかなり新鮮である。90年代以降の紹介になると、ゲーメストの情報から名前だけは知っていたが、実際未発売だったというゲームも散見される。
多くは未発売の状況は不明。当時の世相と数少ない証言と資料からの推測が続く。
これは、圧倒的に一般に流れるアーケードゲームの情報量の少なさを考えれば必然である。
貴重なのは、未発売ゲームについての生き証人とも言える、4人の元開発者へのインタビュー。通常であれば、まず聞く事の出来ないアーケードゲーム開発の裏話は良い資料である。
かなりニッチなテーマの書籍であるが、こうした情報も含めアーケードゲームという文化の保存は行われるべき。
ゲームセンターがほぼ絶滅状態の現在、リバイバルやリメイクとして当時のゲームを楽しむ事と共に、こうした資料で当時のゲーム(開発)事情を知る事は、ゲーム自体を深く知る事に繋がり、それはゲーム文化の発展に必ず寄与する事になる。
著者も、あとがきに於いて「クリエイターへのインタビューがゲームの歴史に寄与する」と言っている。
正にその通り。
企画として第2弾もある様なので、形になる事を祈っている。
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