今回は、株式会社セガトイズより発売されたゲーム機「アストロシティミニ」を紹介する。
アストロシティは、セガが発売していたアーケードゲーム用汎用筐体。90年代後半にはゲームセンターにある筐体の殆どが、このアストロシティだったと言っても過言ではない程普及していた。 様々なゲームが、ジャンルを問わずこの筐体で多数稼動していた。今思えば夢の様なその空間の象徴が、アストロシティといえる。
ご覧の様に、当時の筐体そのままのボディ。(オリジナルの6分の1サイズ)
背面には、電源スイッチの他、USB接続端子・HDMI接続端子・別売りのコントロール機器接続端子が装備されている。
HDMI端子でTVに接続して大画面でゲームを楽しむ事が出来る事と、別売りのコントロールパッド・アーケードスティックでもプレイ可能な所がにくい。
このアストロシティミニは、ファミコンミニ系の大人向け玩具。 前述のようにゲームセンターで一世を風靡した汎用筐体を手のひらサイズで遊ぼう!というコンセプト。
この小さなボディに、当時ゲームセンターで稼働していた多数のゲームが収録されており、自由に遊ぶ事が可能だ。(ちなみにセーブ機能もあるので、クリアできなかったゲームもクリア出来る・・・かもしれない)
セガトイズからの発売という事で、収録ゲームはセガ発売のモノのみなのだが、ゲームチョイスが個人的にツボだったのでアナウンスと共に即予約で購入した。
収録タイトルは、圧巻の37タイトル。
有名どころの「バーチャファイター」「戦斧(ゴールデンアックス)」を始め、「ワンダーボーイ」や「青春スキャンダル」といったレトロタイトルまで収録されている。(とはいえ、今となっては収録タイトルが全てレトロゲームであるが・・・)
しかし、前述の様に私の個人的感情に訴えかけたタイトルは「ダークエッジ」「アラビアンファイト」の2タイトル。
ここで、この2つのタイトルに関して述べていきたい。
発売はアラビアンファイト⇒ダークエッジの順だと記憶している。
アラビアンファイトは、奥行きのあるファイナルファイトタイプのベルトスクロールアクション。タイトル通りアラビア風世界が舞台で、さらわれた姫を助ける為に3人の勇者が戦いに赴く内容。
このゲームの思い出は、プレイヤーキャラの一人(紅一点)「ラマーヤ」に尽きる。当時はやりのアニメ顔で、魔法を使用する時にキャラクターが画面内にドアップになる演出がツボ。ゲーメストの紹介記事を見て、近所のゲームセンターに入荷したらプレイしようと思っていた。 ところが、ゲーム自体はお世辞にも面白いとは言えず、ゲーセンでのインカムも悪く、すぐに消え去ってしまった。かくいう私も実機では数回のプレイで飽きていたと思う・・・^_^;
家庭用ではPS等が普及しており、アーケードタイトルが普通に移植される事も多かったわけだが、このアラビアンファイトは、余りにも目立たたなく、移植は絶望的であり今日に至っていた。
で、今回のアストロシティミニ収録で、当時以来プレイしてみたのだが、やはり操作性が悪くゲームとしてはぶっちゃけ面白くない。
奥行きがあると紹介したが、奥に行くほどキャラクターが小さくなるという遠近法をドット絵で再現している。その努力は買うが、その為の当たり判定も含めてゲームとしておかしな表現に見えてしまう。動きも滑らかとは言えずベルトスクロールとしてジャンプ攻撃が不自然な動き、というのは致命的だと思う。
それでも当時思い入れのあったラマーヤを操れるのは素直に嬉しい。逆に言えば、発売後10数年経った今でも思い出に残るキャラというのは素晴らしい事だ。
ダークエッジは、疑似3D表現の対戦格闘ゲーム。
フィールド上を360度動き回れる事が特徴で、近未来的な世界観とグラフィックが大変気に入っているゲームだ。
気に入った要因としては、このゲームをゲームショーでプレイした事が大きい。
当時ゲームセンターでバイトしていた私は、会社のコネでゲームショーのチケットを譲り受け、友人と共に幕張メッセで開催されていたAOUショー(だったと思う)でこのゲームをプレイした。私は初プレイでこのゲームの疑似3Dの空間が大変気に入り夢中でプレイしていた。と、そこに関係者らしい方が現れ「このゲーム面白い?」と聞かれたので「面白いっス!」と即答。この関係者らしい人物が誰だったのかは不明だが、発売されたゲームは、前述のアラビアンファイト同様芳しい評価は受けず、移植に関しても同様の道を辿った。
ストⅡでゲームセンターに対戦格闘ゲームと対戦台が普及し始めた頃に発売され、対戦格闘としては目新しい画像表現で目を惹いたはずだが、やはり対戦ゲームとしては当時の技術的に無理があった。
で、今回のアストロシティミニ上でのプレイ感想は、個人的にはありなゲームである事は変わらない。やはり、世界観にマッチしたグラフィックとキャラクターは今でも好きだ。
この2つのタイトルに共通するのは、奥行きを疑似3Dで表現している点。今の技術で作り直したら、そこそこ遊べる内容になる可能性はあると感じてる。まぁ、アラビアンファイトは微妙だが・・・(笑)
最近特に思い始めたのだが、ゲームが好きだという本質はキャラクターを動かす事に楽しみを覚える事で、動かしていて「楽しい!」と思わせる要素が不可欠だと思う。それは、キャラクター自体の魅力であったり、キャラクターが動く世界やギミックだったりする。また、キャラクターを動かす事により得られるリターン(判り易い所では麻雀のご褒美グラフィック)である。
ちなみに、収録タイトルで実際プレイした記憶があるのはそれほど多くない。 ぶっちゃけ、エミュレーターでの起動だと思うのだが、それでもプレイした事のないゲームを手軽に遊べる事自体面白いし、温故知新でゲームに関して何かひらめきを得る事が出来るかもしれない。
そうでなくても、単純に面白いゲームに出会える可能性がある。(個人的には忍者プリンセスがハマれる感じ)
そうした事に改めて気付かせてくれるこういった玩具は、かつてのゲーセン少年には是非プレイして頂きたい。
というか、電源入れっぱなしでデモ画面流すだけのインテリアとしても良いと思うぞ!当時のゲーセンの雰囲気を味わえるのではないだろうか?
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