今回紹介するのは、「DS湯けむりサスペンスシリーズ フリーライター 橘 真希 「洞爺湖・七つの湯・奥湯の郷」取材手帳」。
ニンテンドーDSで発売された推理アドヴェンチャーゲーム。
タイトル通り、温泉街で発生する事件に巻き込まれる3人の女性(フリーライター、カメラマン、モデル)の物語。
ゲームとしては特に詰まる要素もなく、普通にテキストを読み進めて行けばスラスラと先に進む事が可能で、謎解き(選択肢)は出て来るものの、半分はノベルゲームの様な感覚で進めて行く事が出来る。
面白いのは、制作会社が地図会社で、地図を利用した移動・謎解きが(無理やり感はあるが)ちりばめられている。
何より、キャストが実写モデルで登場しているのだが、全てのキャストがB級感たっぷり(誉め言葉)で、タイトルの「湯けむりサスペンス」という2時間サスペンスドラマのB級感を後押ししている。
そして、主人公達の会話がテンポよく、テキストを読み進める事にのめり込ませてくれる。
登場人物は少ないのだが、その中でも上手く話を盛り上げている。
物語は3章からなり、それぞれ3人の主人公の視点から語られていく。殺人事件も発生するのだが、殺伐とした感覚は無く、おちゃらけた登場人物の性格でサラっと受け止める事が出来るのも好印象。
もう一つの特徴は、ゲーム内で各温泉地を調べる事で、舞台となった温泉地へのアクセス情報や、お勧め観光スポットがGET出来る。これは地図会社らしいタイアップ企画なのだろうが、ゲームと他業種のタイアップ企画というモノは、ゲームに勢いがあった時代であってもイマイチ「?」という印象だった。ゲームで情報を得るならネットで仕入れた方が良くね?という感じであった・・・
とはいえ、こういったゲームを今見ると、歴史として置いておかなければならないモノである、と実感できる。
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