
今回は、ゲームブックを紹介。ゲームブックについては別コラムを参照して頂きたいが、私が夢中になった趣味の一つである。未だに当時モノのゲームブックを所蔵しているので、時代を感じながら読んで頂けたら幸いだ。

最初に紹介するのは、勁文社刊 草野直樹・刀堂光貴/構成・文 スタジオ・ハード編
ディーヴァ「女戦士ミリスの挑戦」。
これは、当時T&Eソフトが発売していた、アクションシミュレーションゲーム「ディーヴァ」をモチーフにしたゲームブック。
ディーヴァは、当時規格が異なる7機種のPC(ファミコン含む)毎に異なる主人公を配し発売されたゲーム。現在の様にウインドウズの様な汎用規格が無かった時代、かなり画期的なゲームだったと記憶している。
もっとも、当時全ての機種で遊んだ人が居たのかについては、甚だ疑問だ。
当時のPCはかなり高額で、どの機種を買うかは自分がプレイしたいゲームがあるかどうかが重要な要素で、それ1機種に絞って購入を決断するような代物だった。それを6機種(ファミコン以外)揃えてるなんて、日本に何人いたのだろうか?
もっとも、その辺りはメーカーも理解していたようで、各機種毎にパスワードを持ち寄ってそれぞれのゲームに他機種の要素を反映できる仕組みがあった。(詳細不明)
私は当時、PC98とファミコンを所持していたが、98版は最後の最後に発売された作品で件のゲームブックを手にした時は未発売であり、ファミコン版はシミュレーションというよりアクションゲーム部分がクローズアップされて紹介されていた為、イマイチ面白さが伝わらなかったので未購入だった。
そんなわけでディーヴァに関しては、ゲームの企画コンセプトと世界観は気になっていたがゲーム自体は未経験という状態でゲームブックを購入した。
表紙を見て頂ければ、私が購入した理由は一目瞭然であろうが、アニメ調美少女が主人公という事である。(笑)
ストーリーは、ファミコン版のサイドストーリーで、主人公ミリスがファミコン版の主人公「マータリ・シュバン」より任務を与えられ銀河を駆け巡る活躍を描いている。
さて、ゲームブックといえば、冒険記録用紙。
このゲームブックにも表裏印刷で1枚の冒険記録用紙が付属している。
敵との戦闘を管理する対戦記録用紙と、自分の能力パラメータを記録する用紙が基本の記録用紙形式だが、このゲームにはプラス「ステップメモ」という欄が設けられている。
これは、自分が読み進めたパラグラフの番号を控えておくもので、ルート確認に役立つ。(本来はゲーム中断の為のセーブ機能の役割として使うよう指示がある)
これは、それまでの他のゲームブックには無かったもので、当時結構画期的だと感じたものだ。
扉絵同様本編にもイカした挿絵が挿入されており、楽しくプレイ出来る。
当時、ゲームブックの主流ジャンルは、剣と魔法のファンタジー世界でありSFジャンルは珍しかった。そこにアニメ調ビジュアルの女性主人公を持ってくる事は、主な読者層である中高生男子へのアピールと思われるが、こうして元ゲームをアピールする事はメディアミックス路線として正しい書籍の使い方だと思われる。
現在ゲームブックはおろか、紙媒体の書籍も売り上げ的に下降路線であり、デジタルゲームの進化で需要はほぼない状況であるが、ページを繰りながら楽しむアナログゲームとして、この灯は守って行って欲しいと思う。
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