ゲームミュージックが好きである、と以前のコラムで書いたのだが、ここで私の好きなゲームミュージックを紹介していきたい。
ゲーム歴は長く、ファミコン時代からなのだが、主な紹介はアーケードゲームの音楽になると思う。
そもそも、ゲーム音楽を聴く様になった切っ掛けは、テーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」 をプレイする際、友人の一人がBGMとしてゲーム音楽のレコードを掛けた事だ。アナログを含めゲーム好きな友人同士が集まっていたので、全く違和感なく聴いていた。
昔はゲーム自体のイメージが世間的に芳しくなく、ゲーム音楽を聴いているという事は白い目で見られるという事でもあった。ゲームが市民権を得た現在でも音楽に注視する事は稀なのかもしれない。ゲーム音楽のCDが新発売されたとか、配信されているとか、余り聞いたことが無いし・・・そんな今だからこそ、お気に入りの音楽を伝える事を建前に、自分の好きな音楽を紹介していこうと思う。(笑)
①「ニンジャウォーリアーズ」
私がゲームミュージックを本格的に好きになった原因となる「ニンジャウォーリアーズ」。
当時このゲームをプレイした記憶はほとんどない。地元には隣町のドライブインにあっただけで、そこで何回かプレイしただけだ。プレイ時間は殆ど無いが、ゲーム自体の世界観が好きだったので、CDが出た時に購入してその音楽の完成度に驚いた。
ゲーム内の楽曲は全て素晴らしい出来なのだが、中でもステージ1の曲「Daddy Mulk」は名曲!90年代に入ると、アーケードゲームの音楽開発チームが独自に活動をしてライブを行ったりしたものだ。
②「ドラゴンスピリット」
ゲームミュージックがメジャーになる黎明期の立役者は「ナムコ」(現バンダイナムコゲームス)のゼビウスのレコードだった。その流れから暫くはナムコのゲームミュージックが界隈を牽引していく。原曲・アレンジともに素晴らしいアルバムが多数発売され、件のD&Dをプレイする際のBGMは専らナムコのゲームミュージックだった。その中で、当時断トツに人気があったのが「ドラゴンスピリット」。
ゲーム内容もD&Dをプレイしていた身からすると世界観がマッチしていてすんなり受け入れられた。別コラムでも書いているが、2面(火山)の曲が名曲過ぎる!
③「The Heist」
これは、正確にはゲーム音楽ではない。「80's OVERDRIVE」 というレースゲーム中に使用されている「Wolf and Raven」というアーティストの楽曲だ。ゲームの中で(メインに)使用されているので、ゲーム音楽として紹介する。
このゲームはタイトル通り、80年代感が出ているレトロ調レースゲーム。セガのアウトランからレースゲームにノリの良い音楽は必須条件になっているが、その流れを汲み、ゲーム音楽に近い楽曲を作るアーティストの楽曲が多数使用されている。
その中で特に個人的にお気に入りがこの楽曲で、イントロから爽快感があり、序盤からの盛り上がりがたまらない。
ゲームはグラフィックを始め表現方法が進化し続けている。音楽もその表現の一つとして進化し続けてきた。そんな中で楽器自体が電子化されてきて、デジタルとしての融合性が高まってきている事も、この様な楽曲がムリなく受け入れられる土壌が醸成されてきた証しだろう。
④Rush a Difficulty
セガの体感アーケードゲーム「アウトラン」は、ドライブゲームの草分け的存在である。魅力は多いのだが、何と言ってもその音楽が一番の魅力と言える。ドライブゲーム=ノリの良い音楽というある種の常識を創り上げたのがアウトランである。
この楽曲はアウトランの続編「ターボアウトラン」で使用されている楽曲。アウトランシリーズはどれも名曲が揃っているが、この楽曲は個人的に一番のお気に入りだ。
⑤Metal Black
タイトーから発売された横スクロールシューティング。 全体的にもの悲しい感じのBGMだが、絶望的なストーリーと相まって実に聞き応えがある。オリジナルも素晴らしいがアレンジVer.も実に泣かせる。ゲーム音楽で泣けるなんて、スゴい事だと思う。
しかし、タイトーは「ニンジャウォーリアーズ」以来、ゲーム内容云々よりも音楽が際立って目立っていたような気がする。
⑥「アウトゾーン」
東亜プランから発売された任意縦スクロールシューティング。
いわゆる「戦場の狼」タイプのシューティングゲームで、アイテムにより変更可能なショットとボンバーで進んでいく。
このゲームもコインをつぎ込んで遊んだ記憶はないのだが、BGMはゲーセンで聞いてお気に入りだった。なので、BGMを聞く為に1コイン入れて遊ぶという感じだった。
俗にいう「東亜節」と呼ばれるサウンドは実にシューティング向けのサウンドで、各ゲーム世界観を表現していた。
CDが発売されると、収録されていたアレンジヴァージョンが素晴らしすぎた。1・2面の曲のアレンジだが、曲の繋ぎが半端なくカッコいい!是非聞いて頂きたい。
⑦「ファイナルファイト」
ファイナルファイト は、間違いなく生涯の中で心に残り続ける名作ゲーム。
90年の「第4回ゲーメスト大賞」受賞時は、その他のゲームをぶっちぎりで引き離しての受賞。前年の発売から1年以上も人気・インカムトップを維持し続けていた怪物ゲームだ。(ゲーメスト調べ)
ゲーム性と比較し、音楽はそれほどの評価を受けてはいない印象だが(それでもゲーメスト大賞ではVGM部門4位だった)、プレイ時間が長い=音楽がヘビーローテーション、という事で、いつでも口ずさめるほど頭にこびりついている。
また、この頃活躍した各メーカー毎のゲームミュージックバンドのアレンジもかなり良いモノだ。
この「LOSE IN TWILIGHT」は、ストⅡがメインのカプコンゲームミュージックCDアルバムに収録されていたアレンジヴァージョンで、静かなオープニングから最終決戦前のベイエリアステージに繋がる燃えアレンジ。
ストⅡ登場前に、今後のカプコンの快進撃を印象付けた特異点的ゲームとして、ファイナルファイトは語り継がれていくべきゲームだ。
⑧「イース」
イースは、日本ファルコムよりPCで発売されたアクションRPG。
イース登場時のPCゲーム環境は、美少女ゲーム(エロゲー)が盛り上がり掛けてきた時代で、PCゲーム市場は拡大していたと思われる。
そんな中、名作「ザナドゥ」の流れを受ける「イース」が発売された。PCゲームとアクションゲームは相性があまり良くなかったのだが、ザナドゥ(シナリオⅡ)の大ヒットでゲーム性は認知されていて人気もあった。
イースは、見降ろし方画面で、キャラの「半ずらし」体当たりで攻撃する攻略が面白い。また、何といってもゲーム全体のBGMが素晴らしく、物語の没頭性を高めている。
どのBGMも素晴らしい出来なのだが、特に一般フィールド(草原)の軽快かつ勇ましいBGMは、今でも口ずさめる判り易さで名曲と言える。(個人的には宝箱を開けた時のBGMも好きだ)
PCゲームは、意外に(と言っては失礼だが)名曲が多い。
⑨「ミスティックウォーリアーズ」
ミスティックウォーリアーズは、コナミが開発したアクションシューティングゲーム。忍者をモチーフにしたキャラクターを操り、さらわれた仲間を助ける為に各ステージを戦い抜く内容。ゲームとしては同じく同社の「サンセットライダーズ」的な感覚だ。
このゲームが発売された頃、当時勤めていたゲームセンターが支店(?)として、もう1店舗開店させるという事で、新作ゲームを大量に仕入れていた。その中にこのゲームも有り、しかも(記憶が定かではないが)コナミ純正筐体で稼働させていたと思う。
ただ、ゲームとしてはグラフィックを含め海外を意識した感じで、日本ウケしないだろうな~と思いつつ、個人的に数回プレイしただけだった。しかも、ゲーセンでは音楽をじっくり聞き取れる環境ではなかった為、この音楽的センスに触れずに時間が過ぎた。
その後、同じく同社が発売した「ガイアポリス」(&リーサルエンフォーサーズ)とのカップリングCDが発売されそのVGMに触れたのだが、コレが衝撃だった。音楽のジャンルは良く判らないが、ゲームの音楽としてはかなり聞き応えのある楽曲ばかり。
慌ててゲームを探したが、既にどこにもない状況だった・・・^_^;
個人的に、この頃のコナミのゲームミュージックにはかなりの思い入れがある。ガイアポリスを含めたこのCDは、現在でも聴いているし、全く古さを感じさせない。
⑩「ゲイングランド」
セガが業務用で発売した見降ろし型固定画面アクションシューティング。
ゲームに関しては思い出ゲームのコラムに譲るが、紹介するメインステージのBGMが素晴らしい出来。どことなくもの悲しさを感じさせるBGMなのだが、ストーリーと関連性が強くゲーム自体にのめり込ませる効果は高いと思う。
そのストーリーは・・・
近未来若者の謎の自殺が多発した原因が「闘争本能」の減退であるとされ、政府は闘争本能をバーチャルに体感させる「ゲイングランドシステム」を開発。ヴァーチャル世界で闘争本能を刺激する事で自殺率を下げる事に成功したが、システムが暴走し、利用者がヴァーチャル世界に閉じ込められる事になった。悉く失敗する救出作戦の中、政府は最後の救出隊を送り込むのだった・・・
今の時代に考えると、何とも言えない先見性があるストーリーと言えよう。
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