対戦格闘ゲーム「DEAD OR ALIVE」(DOA)については何回かコラムを書いているのだが、どれもゲームをやり込んだ感想というモノではなく、ファーストインプレッション的な感想と、これまで読んできた書籍や雑誌記事の知識からまとめたものだ。(まぁ、殆どのゲームコラムはそんな流れなのだが・・・)
今回、2021年暮れから現在まで1年以上「DEAD OR ALIVE 6」を中心に「DEAD OR ALIVE」というゲームを遊び続けてきた中で思う事が募ってきたので、改めてコラムに落とし込もうと思う。
<キャラクターゲームとしてのDOA>
DOAの魅力は女性キャラクターである。
対戦格闘ゲームをプレイする根元には、対戦相手に勝つという動物的衝動があるが、ゲームとしてプレイする際、自分の分身として選択する重要要素は「見た目」だ。世の中の表向きの風潮として「見た目より中身」というモノがあるが、正直に言ってコレは幻想だ。どんなものでも最初の印象が重要で、判り易い要素は見た目なのだ。
そういう意味で、シリーズを重ねる毎に登場キャラの女性の割合が増えてきたこのゲームは、対戦格闘ゲームというジャンルを牽引してきた男性プレイヤーに、より媚びたものである。男性プレイヤーが女性キャラを好んで使う目的はただ一つで、キャラへの性的欲求である。これは男と女の厳然たる違いなので良い・悪いという問題では無い。ともかく、女性キャラを多数登場させる理由は、ウケが良いからであり、その点だけでもDOAがキャラクター重視のゲームであると言い切れる。
ゲームシステム設定で、女性キャラの胸の揺れ具合を選択出来たり(これは、初代へのオマージュが含まれているが)、コスチュームの透け具合の表現など(特に5LR)は、完全に男性プレイヤー向けのフィーチャーに偏っている。
また、シリーズを重ねる毎にいわゆる「イロモノ」キャラが減り、登場キャラ全員がスマートな容姿に変更されて行った事も拍車をかけている。(ゲン・フー⇒エリオット・万骨坊⇒女天狗)現時点では、ザックがイロモノ代表だが、このキャラはDOAXシリーズとの繋がりを考えれば許容するしかない立ち位置で、それを除けばほぼスマートなキャラで固められている。新キャラ(男)もイケメン風が多く、男女問わず今風の嗜好を詰め込んでいるのだろう。個人的には、ゲン・フーや万骨坊の様なキャラは必須だと思っているが・・・
ここまで女性キャラクターをフィーチャーするのであれば、DOAXシリーズと統合して、女性キャラだけの格闘ゲームにシフトした方が余程潔いと思うのだが・・・
と、キャラクターゲームとしては、その出来は素晴らしいモノがある。
<対戦格闘ゲームとしてのDOA>
今更語る事ではないが、DOAの対戦格闘ゲームとしての一番のウリは「打撃」「投げ」「ホールド」の3すくみ。その中でも独自のシステム「ホールド」(ディフェンシブホールド)がDOAという対戦格闘ゲームを端的に現わしている。
初代ではそれほど重要に感じなかったのだが(オフェンシブホールドは投げの一種の様な感覚で使っていたが、それは3すくみを無視した様な使い方だろう)、6からハマりだした身としては、実に初心者向けのシステムであると感じる。技の読み合いで、初心者でもホールドで上級者の技を切り返して反撃に出る糸口が掴めるからだ。
この「読み合い」がDOAをプレイするうえで重要であり、2の頃、製作者は読み合いに勝ったプレイヤーにより大きなリターンを与えるとし、ホールドシステムを複雑化した。正直このシステムは初心者にはツラかった。
しかし、その後ホールドシステムは簡素化され感覚的に使いやすくなった。完全にコレが正解で、ウリであるホールドで(読み勝てば)ガンガン技を捕っていけるという事実は、初心者には僥倖であるはずなのだ。そしてそれは、ゲームの面白さの根幹であるホールドを理解させる事に繋がるのだ。
もう一つDOAのシステムで特徴的なモノは「デンジャーゾーン」だ。
初代から継承されるギミックで、叩きつけや吹き飛ばしにより、特定の地形に相手をぶつける事で追加ダメージを与えるギミック。
これも単純に初心者には嬉しいギミックで、大ダメージコンボが出来なくても基本コンボにプラスする形でダメージを補強してくれるので、ギリギリの試合で勝てるチャンスを与えてくれるわけだ。
地形によっては、浮かせ・バウンドの効果が加わり、そこからコンボのチャンスが広がる。(これが本来の狙いだと思われる)
また、シリーズ毎に趣向を凝らしたデンジャーゾーンが登場し、ダメージと共に演出も楽しめる。
前述のホールドと合わせて、DOAは複雑そうに見えて実は初心者に優しいゲームである事が判るだろう。
<個人コレクション>
DOAは初代から好きなゲームであり、書籍等は(プレイしなくても)チェックしていた。個人所有のDOAグッズを紹介。(大したものではないが・・・)
*アーケードゲーム情報誌「アルカディア」の懸賞で当選したDOA2のエッチングシール。未開封品だ。
*エンターブレイン刊のシリーズガイドブック。
チームNINJAフリークスとDOAアルティメットガイドは、専用のブックケースに入っている豪華仕様。考えてみれば、単行本としてこれだけガイドブックが出るのはスゴい事だと思うのだ。
*ゲーメスト 増刊号のムック。
当時ゲーメストはこうした対戦格闘ゲームの単行本ムックを多数出版していた。それだけ本誌だけでは情報を取り扱え切れないほど、対戦格闘ゲームが発売されていたのだ。
DOA10周年の企画で発売された(詳しい入手方法は記憶から外れている)DOAカレンダー。(2007年)
内容は、初代からXV2までのキャラ(かすみとあやね)グラフィックカレンダーである。表紙は少し黄ばんでいるが、他のページは良好な状態だと思う。
こうしてみると、今のグラフィックの進歩には驚かされる。
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