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  • 執筆者の写真竜騎士

超鋼戦記キカイオー

更新日:2023年4月16日

ここでは思い出のゲームについて語っていきたい。

超鋼戦記キカイオーは、カプコンが開発したロボットを操る3D対戦格闘ゲーム。

元はアーケードで発売されたのだが、やり込んだのは家庭用(ドリームキャスト版)だ。

ゲームのコンセプトは、巨大ロボットを操り戦うというモノで、プレイキャラには、いわゆるスーパーロボットからリアルロボまで多様なロボットが登場する。

昭和世代男子には、ロボットアニメとは切っても切れない関係があるわけで、それぞれの年代に「刺さる」ロボットをモチーフにしたキャラは、それだけでプレイモチベーションを上げる効果があった。

ゲームの印象は良くも悪くも大雑把で、特に特定条件で発動させる事が出来る「ファイナルアタック」は、ヒットすれば相手を問答無用でK.O.するという他の格闘ゲームであれば問題になりそうなシステム。

しかし、他の対戦格闘ゲームで重要視されるような対戦バランス等は抜きにして、その世界観に没入させる演出は徹底されていた。

TV画面で時報が鳴り、熱い主題歌と共に始まるオープニングムービー。画面には字幕が付き(ひらがなだ)、これだけで先に述べた昭和世代男子は胸アツの感動が迸る。ちなみにオープニングソング「闘え!キカイオー」は、CD化もされた名曲だ。


ゲームシステム的に大雑把なので、実際は対人戦を意識した調整はされていないと思われる(ファイナルアタックは最たる例だ)が、その潔さも含め、いわゆるゲーマーではないライト層にも訴えかけるものがあっただろう。

回顧主義ではないが、その昔夢中で見ていたロボットアニメの世界を追体験できるという感覚は、対戦格闘ゲーム一色だった当時のゲームセンターに一石を投じた・・・と思いたい。


しかし、実際にはゲームはヒットしたとは言えず、個人的にも家庭用移植で楽しむまではほぼ何も感じなかった。

ヒットしなかった理由の一つは、カプコンの3D対戦格闘ゲーム開発への乗り遅れがある。当時はヴァーチャファイター、鉄拳、デッドオアアライブ等、現在までシリーズが続く3D対戦格闘ゲームが2D対戦格闘ゲームと並ぶ人気の勢いがあった。そんな中、2D対戦格闘ゲームで鎬を削っていたカプコン・SNKは完全に3D対戦格闘の波に乗れなかった。

いくら2Dで世界的大ヒット作を生み出した会社とはいえ、土俵の違う3Dでは前を走る先人たちにかなう事は難しかったという事だ。ちなみに、同系列の「私立ジャスティス学園」「スターグラディエーター」もヒットには至らなかった。(個人的には好きだが)

そして、先に述べた様に対人戦バランスよりも世界観を楽しむ=ソロプレイを重視した仕様は、ゲームセンターでは敬遠される。それはインカム=売り上げが低くなる傾向にあるからだ。つまりリピート率低い。クリアしたら終わりなのだ。

そんなわけで、キカイオーはゲームセンターからは早々に姿を消した。


さて、家庭用で楽しむ事になるキカイオーだが、移植されたのはドリームキャストだけだった。当時、ナムコのソウルキャリバーもドリームキャストだけの移植で、意外に自分好みのゲームが発売されていて、お気に入りのハードだったのだ。

ドリームキャスト版は、ゲストキャラとして、サイバーボッツのブロディアⅡカスタム(ジン・サオトメ)の参入や、ムービー・カラオケ・おまけゲーム等家庭用ならではの移植で、かなり楽しめる内容だった。

ちなみに、好きな機体は「重装甲陸戦兵器 ワイズダック」。人型ではないロボットでニッチゲームの中でも更にニッチな機体だ。パイルバンカー的な技(ブルブレイカー)が大好きで使いまくっていたな。


対戦格闘ゲームではあるが対人戦で遊ぶ事を前提とせず、男子のロボット(アニメ)魂に火を点ける事に注視したゲームは当時としてもニッチなゲームで、そういったゲームが好きな身としては当然のごとく(家庭用ではあるが)かなり楽しんでプレイした。

この対CPU戦特化型の対戦格闘ゲームは、ゲーム性云々ではなく好きなタイプのゲームだ。

別コラムで述べている様に、対人戦は好きではないので、それだけでプレイする価値のあるゲームになってしまう。^_^;


最近はこういった大雑把な遊べるゲームが少なく、少し寂しい思いをしている。ただ大雑把なだけのゲームは多くあるが・・・

ゲームは大雑把でも飛びぬけたタレント要素(キカイオーであれば懐かしのスーパーロボット)があればそれだけでプレイモチベーションが維持できるのだ。

ゲームのコンセプトとしてそこに焦点を当て、丁寧に作られたキカイオーは、こうして今でも心に残るゲームとなっている。


願わくば、そういったキラリと光るものがあるニッチなゲームの登場を待ちたい。


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