top of page
  • 執筆者の写真竜騎士

年間ベストゲーム(2021)

更新日:2023年12月8日


12月に入り年の瀬も迫る中、今年1年プレイしてきたゲームを振り返り、年間ベストゲームを発表していきたい。 尚、タイトルは2021年に発売・購入したものに限らず、純粋にプレイしたゲームのランキングとする。


そして、当然ながらランキングは私個人の独断と偏見である。


今回の特別賞は、海外製エロアドヴェンチャーゲーム「Treasure of Nadia」が受賞。

この作品は非steamゲームでの初の受賞作品となる。おまけに、エロゲーとしても初受賞作品だ。(現在はsteamでも発売中)


ゲームはフィールドでキャラを動かし、他のキャラと会話したり場所を調べたりしながら進めるアドヴェンチャーゲーム。詳しくは紹介ページに譲るが、アドベンチャーゲームの基本を凝縮したような作品で、安心して楽しめる良作ゲームだ。

海外製らしく、グラフィックがリアル。

海外製のエロゲーはどれもグラフィックがリアル(過ぎる)なゲームが多いのだが、どれもノベル的ゲーム(というかノベル)で内容も区別がつかない。

しかし、この「Treasure of Nadia」は、ゲームとしてしっかり遊べる作品だ。


再三述べているが、グラフィックノベルはゲームではない。確かに、エロとして見ればリアルなグラフィックであれば実用性も高い。

だが、それはゲームではないのだ。

エロと言えどもゲームであるならば遊べなければならない。遊んでいる、という感覚が無いモノは当然ながらゲームではない。(クリックして文章を読んでるだけというのは、遊びではないだろう)

エロいグラフィックは、あくまでもオマケであってゲームを頑張ったご褒美であるべきなのだ。そんなことはお構いなく、ただエログラフィックが垂れ流されるだけのノベルが溢れる世界に、遊べるゲームが、しかも海外から現れた事は興味深い。


このゲームは、完結するまでエピソードが定期的にアップデートで追加されていく仕様だった。言ってみれば連載漫画を読む感覚で、次のエピソードを楽しみにしながらプレイした。約1年を通したアップデートで完結に至り、見事感動のエンディングとなっている。

冷静に見れば、宝探しと言いつつ、絶倫主人公が女の子とハメまくる物語で、ご都合主義の塊である。しかし、多数の女性キャラとの絡みを上手くまとめているし、徐々に過激になっていく射幸心を煽る展開も巧みだ。第一、エロゲーがご都合主義で無かったら、殆どの作品はゲームとして成り立たないだろう。


海外ゲームにはありがちだが、年増の女性もリアルに描写されている。(余談だが、海外のエロゲーは母親とセックスする関係になるゲームが多い様な気がする・・・)

この辺りもプレイヤーを選ぶ要素だが、それこそアダルトゲームとしては当然のことであるともいえるし、昔ながらのエロアドヴェンチャーゲームを遊びたい、というのであれば、グラフィックに関係なく、是非プレイするべきゲームである。

尚、このゲームは世界観を同じとする同社の「Lust Epidemic」(前作)という作品と繋がりがあり、Lust Epidemicのキャラクターも登場する。エピソードも前作と関わるものもあるので、出来ればこちらからプレイすると、より物語を楽しむ事が出来るだろう。(ゲームシステムも、このLust Epidemicに基づいているので尚更である)

*Lust Epidemicはsteamで発売中。


拘束された女性を操り、ステージ内から脱出するゲーム。

このゲームの面白さは、モチーフと操作系に集約される。

先ず、モチーフについてだが、「拘束された女性」というシチュエーションが、独自で淫靡な雰囲気を醸し出している。いわゆるSM的な匂いを漂わせているわけだが、このシチュエーションは、フェティッシュ要素として(多かれ少なかれ)男性に突き刺さるものだろう。


次に操作性だが、基本的に出来る事が、身体を曲げたり捻ったりして床を転がるだけ。動作はぎこちなく、そのもたつく操作感覚が身体の自由を奪われた雰囲気を上手く表現している。


SM的エロスとイライラ操作的ゲーム性が、見事に集約されていて、ニッチなゲームが好きな身としては、このあまりにニッチ過ぎるゲーム性に惹かれないわけにはいかなかった。

SM的雰囲気がある、というのはプレイ自体にも反映されていて、クリアする為には自由に身動きが出来ない事のM感、反って俯瞰では、身動きが取れないキャラの様子を眺める事で優越感に浸るS感と、プレイしながらSとM両方の感覚を味わう事が出来る、というのは考え過ぎだろうか?

いわゆる一般のアクションゲームとは全く異なる、雄一無二のゲーム性で、新しいゲームの楽しみ方を考えさせてくれたこのゲームは、ベストゲームの一つにふさわしいだろう。



ちなみに、このゲームにはCustomヴァージョンが存在し、それには本編にはないステージが収録されている。中でも無重力空間のシチュエーションはかなり斬新だ。


1対1の剣劇対戦格闘ゲーム。

中世風の世界観で、武器(剣)での1対1の決闘を体験できる。

決闘であるがゆえに、ほぼ攻撃がヒットした時点で勝敗が決する。本当にあっ!という間に決着がつくので、通常の対戦格闘ゲームの様な感覚でいると、ナニコレ?と思う所だろう。

しかし、モチーフを考えれば当たり前であり、逆にこの一撃死の緊張感を楽しむ事がゲーム性である。

如何に相手に攻撃を当てるかに集中する為、ガードは自動。ただ、ガードと言っても攻撃を完全に防ぐわけでは無く、鍔迫り合い的に攻撃を反らす程度である為、基本は間合いを図って攻撃を繰り出す事となる。


そう、このゲームは間合いが命のゲームと言える。

各キャラクターにより、コンビネーションや技の踏み込みが異なるので、自分の攻撃感覚に近い間合いを持つキャラを見つけよう。

また、ロングガードという一種の構えを駆使して戦う事で、より多彩な攻撃を組み立てる事が出来る。

相手にどうやって攻撃を当てるかは、格闘ゲームとしては当然の思考要素だが、一撃必殺のこのゲームではより顕著だろう。


対戦格闘ゲームの一瞬の攻防部分を切り抜いたゲームでニッチであるといえるが、切り口の斬新さとリアルなグラフィックで繰り返しプレイしてしまう面白さがある。

武器格闘ゲームなので殺伐とした雰囲気もあるが、ゲーム性としてはフェンシングの様なスポーツ感覚も強い。そういった意味では、ゲームだからという事ではなく、競技感覚でプレイ出来るゲームだ。


3位は、カードバトルゲーム「Last Evil」。

人間との戦いに敗れ、最後の反撃にでる女悪魔(サキュバス)の戦いを描く。


ランダムで配置される手札を使い、その都度有効なベストな攻撃(防御)を考えて戦う所がゲーム性。手札を増やすにもランダム要素があり、先に進めるかどうかは(ほぼ)運次第となる。ランダム要素が強いとはいえ、セオリー的戦い方がある為、手札によっては完全に詰んだ状態となる事もしばしば発生するが、それでも何とか進んでいけるゲームバランスが良い。

各敵への有効な攻撃を見切り、ターン性である事を考えて先手を打つ等の戦略性がある。各スペルの効果も派手で、見ているだけで楽しい。


カードゲームの面白さはランダム要素であるが、自分の山札を把握しているだけに、戦略が立てやすい。現存戦力の割り振りで如何に勝利するか、というところが面白く、繰り返しプレイのモチベーション維持にもなっている。

敢えて欠点を上げるとするならば、自分も敵も攻撃力が完全に数値化されていて、ここにはランダム要素が無い。この為、手札により負けが確定する事が判ってしまう事。勝つ場合は問題ないが、負けと判ってプレイし続けなければならないのは少し辛いかも。


このゲームは、一応アダルトゲームに分類される。

戦いに負けてしまうと凌辱シーンが表示されるし、ゲーム内のスペルに性欲魔法があり、使用するとアダルト描写が表示されるものもある。

しかし、システム的には一般作品として十分に通用する内容で、わざわざアダルトにする必要もないと感じる。

アダルトゲーム(エロゲー)は、そこそこ遊べれば面白いゲーム、と言われる。それは、アダルトゲーム特有の忖度なのだが、それを抜きにしても非常に面白いゲームだ。


2位には「DEAD OR ALIVE 6」が滑り込んだ。

このゲームは、発売当初に購入していたのだが、諸々の事情(主にPC環境)によりゲーム自体の面白さに目覚めたのは、2021年11月になってから。

余談だが、寸前までこのポジションは鉄拳7だった。しかも、当初DEAD OR ALIVE 6には否定的な意見を綴っていた。何れにしろ対戦格闘ゲームをこれほどやり込んだ事は久しぶりの事だったわけだが、寸前でDEAD OR ALIVE 6が選ばれた理由は、ゲームシステムの面白さを理解した事と、新キャラクターNiCOの存在だ。


ゲームシステムは、初代の頃から確立されている「投げ」「打撃」「ホールド」の3すくみの事で、中でもゲームオリジナルの「ホールド」(ディフェンシブホールド)の使い方を理解し、成功率が上がってきた事が大きい。

ホールドは打撃を取り、コンボの流れを止めて仕切り直す技で、対戦格闘にありがちなシーンである、延々とコンボを決められる状態を切り返す事が出来る重要なシステムだ。

シリーズは5LRまでプレイしていたが、どうもホールドを上手く決める事が出来ず、イマイチ楽しめていなかったのだが、キャラクターの魅力で何とかプレイしていた状態。


6は、先に述べている様に否定的な感情が大きかったのだが、前作から登場していたミラを使用していく中で、何故かホールドが上手く決まる確率が高まった。理由については良く判らないが、未だPC環境が追い付かず処理落ちする時がある為、その時に技を見切れる様になった事も原因の一つだろう。ただ、同じ感覚で5LRをプレイしても、上手く成功しない事が多いので、もしかしたらシステム自体に調整が入っているのかもしれない。

何れにせよ、ホールドが決まると試合を仕切り直せるので、自分の操作時間が増える事になる。初心者にとっては、上手く仕切り直したという感情は更に増幅される⇒プレイモチベーションが上がる、と良いサイクルが回りだしたのだ。

そこに来て、ミラに変わるお気に入りキャラとしてNiCOが登場した。

本来キャラクターゲームであるDEAD OR ALIVE(シリーズ)にとって、自分のお気に入りキャラがある事は大きなプレイモチベーションに繋がる。

結局のところ、ゲームシステム的にはホールドこそが根幹であり、コレが決まらないと面白さが半減してしまう。逆に言うとホールドの楽しさを理解出来れば格闘ゲームとして十分に楽しめる。

そこまでに至る為に、魅力的なキャラクターが存在しなければならず、女性キャラクターの描写に力を注いできた、というのがDEAD OR ALIVEというゲームなのではないだろうか?


1位は、女悪魔(サキュバス)を操り、フィールドの敵を殲滅していくアクションゲーム「She Will Punish Them」に決定!


昨年もランクインしていたが、そこからテストヴァージョンを含め大きくヴァージョンアップした作品。


ゲーム自体は、基本剣で戦う3人称視点のアクションゲーム。本当によくあるゲーム性なので特に語る事は無い。強いて特徴を挙げれば、自分と同じサキュバスとモンスターを仲間として戦わせる事が出来る点。仲魔は、それぞれ自分同様経験でレベルアップしていくので、そこそこ思い入れが湧いていく。敵との集団戦を楽しむ事が出来る事は面白い。

しかし、このゲームの面白さは、実際のゲーム部分よりキャラクター(を含めた)カスタマイズにある。特にアーマー収集はゲームの根幹をなす要素。主人公がサキュバスという事でセクシーなアーマーが多数用意されていて、全アーマーコンプリートを目指す為にアクション部分をこなしていく。

これは、アップデート前(前作)から変化がない部分で、前作よりグラフィックレベルが格段に向上した事もあり、モチベーションは上がる。

現ヴァージョンが構成される前は、testヴァージョンとして、前作のグラフィックが大幅に改良されたヴァージョンが出ていたのだが、その時点で登場するアーマーが大幅に削られていた。結構その期間が長かったので、いくらグラフィックがキレイになったとしても、肝心のカスタマイズ規模が縮小されていたとあってはプレイモチベーションが下がり、プレイ自体を諦めかけていた所に、アーマーが追加された大幅なアップデートが入った事もあり、測らずとも上手いな、と思ったものだ。

カスタマイズはアーマーのコーディネートだけではなく、自身のキャラもルックス・体型を自在に調整する事が可能。仲魔のサキュバスも同様にカスタマイズが可能で、複数のオリジナルキャラを作成し、それぞれにコーディネートを施す事が出来る点は、クリエイト系ゲームが好きな身としては嬉しい仕様。


残念な事に、当初から現在に至るまで作り込みが甘く、突発的にゲーム進行に深刻な影響が出るバグが存在する。(ほとんどは地形に関するもの)

ポーザーや撮影機能等、ゲームを楽しむシステムが組み込まれているのだが、どれも操作性が悪くバグに繋がる為大手を振って使用できない点は残念で仕方がない。

しかし、現在も精力的にアップデートが続いており、新たなゲームモードも用意されている様子なのでこれからのアップデートによる改善に期待したい。


<総評>

3年目を迎え、恒例となりつつある年間ベストゲームだが、今回のランキングはニッチとプレイモチベーションがキーワードとなった。


ニッチゲームに関しては、特集が組まれる程プレイする機会があった。もともとニッチなゲームが好きでプレイする傾向にはあったのだが、その中でも、今回ランクインした「Escape Forced Overtime」は、その独自性が特に光っていた。余談だが、このゲームの動画をアップした所、再生数とチャンネル登録者が大きく跳ねた事もあり、ありがたいゲームであると感じた。(笑)

同時に、ニッチなゲームでも興味のある人が多数いる事に気付かされた。


プレイモチベーションに関しては、1位・2位のゲームが端的に現わしている。

ゲームである以上、楽しんでプレイする事が前提条件だが、その為のモチベーション維持として各ゲームが特徴付けている部分を発見できた事は、ゲームの面白さを考える上でも重要な事だった。


そのゲームは遊ぶもの、という至極当然の事を訴えかける切っ掛けになったゲームが特別賞の「Treasure of Nadia」だ。

美少女ゲーム時代から、エロゲーはそこそこ遊べるゲームの評価が上がってきた。それだけ一般ゲームからみれば格下扱いされてきたと言えるが、それでも、ゲームと名が付く限り遊べなければならないはずなのに、洋の東西を問わずエロゲーはノベルゲーム(この呼び方はおかしいが)ばかりが跋扈する様になっている。(個人的には数回の選択肢が出てくるだけの作品も、ゲームと呼べない気がしている)

そんな中、往年のアドヴェンチャーゲームの様にキッチリ遊べるエロゲーが登場し、しかも面白かったわけだから、勧めない選択肢はない。


こんな感じで、素人ながらゲームとは何ぞや?と訴えかける考え方の切っ掛けになったゲームを多数プレイ出来た事は喜ばしい事だ。

少しづつではあるが、こうして多角的にゲームの面白さを伝えて行けるようになれば良いな、と感じている。


また、来年も楽しいゲームとの出会いを期待している。

最新記事

すべて表示
bottom of page